コラム「借景の番人」
カテゴリー:コラム  2014/08/22

東京弁護士会 58期
弁護士 里岡 玲子

事務所を音羽通りに移したのは、昨年の6月。

緑が望める事務所での仕事に憧れを抱いてのことでした。

今の事務所は、鳩山会館の道路向かいにあり、会館の緑を目の当たりにすることができます。

音羽御殿ともいわれるその会館は、最近ではNHKの朝ドラのロケに使われるなど、古式ゆかしい洋館ですが、音羽通りの門から洋館の玄関まで続くお庭は、都会ではあまりお目にかかれない、自然の宝庫でもあります。

春には桜、それが終わるとツツジ、バラ、その後は栗や柿の花が咲き、秋にはそれらが実をつけあるいは紅葉し、さらに葉を落とした後は雪化粧をし、と一年を通じて道路向かいの観客の目を楽しませてくれます。

その借景の番人となっているのが、鳩山会館の門の隣に建っている2階建てのお家なのです。

建築から50年ほど経っているのではないかと思われるその建物は、マンションの狭間にひっそりと、しかし矍鑠と佇んでおり、この建物がなければ、私の借景の半分は消滅してしまうのです。

お住まいの方とお会いしたことはないのですが、末永くお住まいいただくことをひっそりと祈っている、今日この頃です。